2004年11月13日

「ホラー番長シリーズ『ソドムの市』」高橋洋

ホラー番長シリーズという企画、監督が4人いるのでてっきりその4人の短編のオムニバスなのかと思い、劇場に足を運ぶと1本1本ちゃんと長編で4つ一挙に公開されていたのだった。

で、その中で見たのは「リング」や「女優霊」の脚本家の高橋洋監督の長編処女作「ソドムの市」。

脚本作のラインアップを見るといかにも恐そうな映画を撮りそうだと思うかもしれないが、この人の脚本の真骨頂は「発狂する唇」や「血を吸う宇宙」などのアナザーサイドで発揮される。

当然この処女作はこちらの側面をより強化したもので、ひと言で言えば「トンデモナイ」としか言いようが無いのだが「このトンデモなさ」とは幾重にも連なるストーリーで綿密に計算された上での内容の厚みのある、極めて完成度の高いトンデモなさなのだ。

「ソドムの市」といえばカルト作品として名高いパゾリーニ監督の遺作から頂いてきているのだが、その作品からの影響はスルーされ、武の「座頭市」の方を極めて中途半端にモチーフとしている、というフェイントでまず観客の予想を思い切りかわす。

低予算の極北で制作されたであろうチープな特撮がチープでありながら、しかし、出来る限界の腕を見せつけて新幹線爆破、伝書バトの空撮と次から次へと困難な撮影に挑戦し、ついにはB−29が東京上空に舞う、という特撮までやってのけるのだから大したものだ。
(主人公の「ソドムの市」が乗った走る車に飛び乗って後ろのボンネットの張り付く女性刑事、というよくあるアクションシーンではその女性刑事の拡大した写真を車のガラスに貼り付ける、という素敵な方法を採用している)

子供時代の缶蹴りの遊びで、缶の切った方のトゲを友達にぶつけて死亡させてしまう、という殺人からスタートさせてついには東京中で大量殺戮という「市」の物語。
おおざっぱにいえばそういうことなのだが、そこから既に通常の物語としてオカシイのだが気にすることはない。
人間が犯す凶行なんてこのように下らなく低脳なのが実態なのだ。
オウム事件の実態なんてこんなもんだったのかもしれない。
そういった意味でリアリティをそんなに外れてるわけじゃないなぁと思った。
これが恐い映画かというとこんなんで恐がる人いるかなぁ、という気がするが。

東京での上映は終了してあとは名古屋と大阪だけらしいんで、見れない人はビデオ化したら見てちょうだい。
posted by Hachimitsu at 00:00| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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